ビジネスモデルデザイン講座(IoTアイデア創出編)

昨日、白井和康先生の「ビジネスモデルデザイン講座(IoTアイデア創出編)」を受けてきた。19:00~21:30というあっという間の2時間30分だったが、IoTアイデア創出について多くの事を学べたと感じる。

 

IoTとは

「IoT」とは、「Internet of Things」の略称であり、つまり「モノのインターネット化」を指す言葉である。2007年のIoT元年に始まり、2014~2015年にはIoTがピークを迎えた。換言すれば、この期間にIoTへの期待値が最大限に高まっていたのである。2016年~、つまり我々が生きている現代においてはIoTが細分化され、多くのサービスに期待が集まっている。例えば、仮想現実を取り巻くサービスは現実のものとなりつつあるであろう。

 

IoTの成長が見込まれる理由は様々あるが、やはり「スマートフォンの爆発的な普及」が大きな要因となっている。その活用領域は、以下のような分野において予測されている。

人間(ウェアラブル)

住宅(スマートホーム)

小売り

オフィス

工場

建設現場

車両

市街

広域

 

IoTソリューションの事例

現段階で、IoTが活用されているサービスは多々あるが私が興味深く感じたのは「Nest」である。その一例を以下に挙げる。


Meet the 3rd generation Nest Learning Thermostat

 

これは所謂スマートホームの一種で、家の中に取り付けるセンサーのようなものであるが、家主の健康、好み、電力消費量を鑑みて自動的に室温を調節してくれる製品である。スマートフォンとの連携も可能であるため、外出先からも自宅の空調を操作できる。1分と短い動画の中に、この製品の魅力が分かりやすく詰め込まれているように感じた。

 

IoTキャンバス

今回は、「IoTキャンバス」を用いてIoTのアイデアの創出に努めた。このキャンバスは、以下のつの要素で構成されている。

①利用者

②フィジカルオブジェクト

③コンテキスト

④テクノロジー

インサイト

⑥デジタルサービス

⑦関係者

 

ワークショップでは「身体と健康」、「家庭と日常生活」、「移動と輸送」、「街と環境」、「ビジネスと産業」の5つのテーマから自分の好きなものを1つ選ぶことになっていたが、私は「街と環境」チームに入ることとなった。

 

私を含めて4人チームであったが、最初に各々の案を出し合った時は見事にバラバラであった。

 

私「(公共)トイレの場所や、混雑具合なんかが分かると便利ではないでしょうか。」

Aさん「オリンピックに向けて、標識とスマートフォンを連携して、各国の人に会わせた言語の案内を出せるようにしたらどうだろう。」

Bさん「視覚障害を持つ人のために、杖や道にセンサーを埋め込んでみてはどうだろう。」

 

このBさんの案には一同感心し、次のCさんの言葉で方針が決定した。

Cさん「SuicaPasmoにハンディキャップを持っているという情報を組み込んで、駅員さんや乗客に知らせることで協力姿勢・譲り合いの精神を促してはどうだろう。」

 

ということで、ここから議論を重ね利用者の幅が広がり「ハンディキャップをもつ人や妊婦さん、病気・怪我をしている人、お年寄り、幼児」等「助けが必要となる人々」に焦点が絞られた。そして彼らのために、公共交通機関との連携を考えた。以下が私たちのチームのIoTキャンバスになる。

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一度テーマが決まると、各々からいろいろな意見が出てきてキャンバスが付箋紙で埋まって行った。私も、あまり「却下されるのでは」ということは考えずに思いついたら口に出していたように感じる。実際に自分が普段利用している電車、バスに関してイメージを浮かべることで「どうすればより良い対応をできるのか」、「どうすれば対象者がより快適に過ごせるのか」ということを念頭に置いていた。私自身電車内で体調を崩すこともあるため、「誰かの助けが欲しい時」というイメージはすんなりと湧いてきたように思える。つまり、対象者の立場になってみることがいかに重要かということが分かった。

 

こうして、最終的な案としてまとまったのが以下の図に集約されたサービス「Friendly City」である。
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前述のような「手助けが必要となる人」の情報をSuicaPasmoに組み込み、改札を通った時点で駅員および電車内に通知が届く。このことで駅員はスムーズに案内を行うことができ、乗客の間には自然と「助け合いの精神」「譲り合いの精神」が生まれるのでは、と考え出されたサービスである。また、電車内の混雑具合(環境)を温度計、湿度計、圧力計等の器具により測ることで「どの車両に乗ればスムーズかつ快適に乗ることができるのか」という情報を与えることができる。

 

おわりに

今回のセミナーを通して、IoTについてのイメージが深く湧いたように感じる。最後に先生が仰っていた、「今回はどのチームも皆さん現実的な案をお出しになって・・・」という言葉が強く印象に残っている。確かに、どのチームも現実的に実現可能な案を出していたように思われる。もちろんそれも大事であるが、技術が発達した現代において、「実現可能かどうか」まで考えなくとも少し夢のあるような案を出しても良いのでは、と感じた。もちろん実用性も大切であるが、「モノのインターネット化」は思った以上に技術革新が進んでいるように思われる。これから先どのようなサービスが出てくるのか楽しみである反面、「こんなサービスあったら良いのに」というイメージは忘れずに持ち続けたいと考えている。

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