読了:Robin Williams『ノンデザイナーズ・デザインブック』(マイナビ出版、2016年)

先月、Robin Williams『ノンデザイナーズ・デザインブック』を読了した。

 

「デザイン」という分野に深く触れるのは初めてのことであり、今までは「才能に依るところが大きい」とばかり考えていた。そのため、学校で出された課題やポスターを作る機会には、極めてそれらしい、無難なものを作ってやり過ごしていた記憶がある。(今思えば、何のデザインもできておらずひどい出来だった...)

 

しかし、この本を一通り読んだことでデザインをする上でも「法則」があることが分かった。つまりは、才能の有無に依るのではなく論理的にデザインを進めていく過程になる。今まで当たり前のように目にしてきたものにも、実は多くの法則が隠されていたことに改めて気づかされ、目から鱗であった。

 

著者は、デザインの基本原則として以下の4つを挙げている*1

 

1.コントラスト

2.反復

3.整列

4.近接

 

この中で最も印象に残ったものが「近接」である。著者は、この項目の最初の方に以下のように述べている*2

 

初心者がデザインした作品には、語句や絵柄が、あちこちにばらまかれ、四隅を埋め、空白がいっさいできないように多量の空間を占める傾向があります。どうやら空白に対する恐怖が存在するようです。

 

以前、映像制作に携わっている兄と私が好きなインディーズバンドのPVを観ながら会話していたことがあった。メンバー数人が端に寄っており、それ以外の空間(壁)にシールがたくさん貼ってあるシーンがあった。それを見た兄は、「ここのシーン、壁にやたらめったらシールが貼られてる。空白を作るのが怖いんだよ。初心者にありがち。」と話していた。偶然じゃないの?とその時は半信半疑で聞き流していたのだが・・・

 

前述のように、やはり人は「空白」を怖がる傾向にあるのかもしれない(飽くまで一見解ではあるが)。私も昔作ったポスター等を思い出すと、とにかく四隅を何かしらの装飾で埋め、フレームをつけ、写真を盛り込み、文章を散らし、「空白」ができないようにしていた記憶がある。それはあからさまに大きな空白に対する「不安」であった。しかし、この「近接」の原則を学んだことで「空白の有用性」に気付かされた。

 

こうやって記事を書いている今も、改行して「空白」を作るのはせめて5行程度は書いてから・・・という風に考えてしまっている。やはり、空白に対する不安感・恐怖感は未だ残っているようである。これから先、その有用性をじっくりと考え、空白を生み出す勇気を持ちたいと思う。

 

空白を作ることで

 

そのデザインがより

 

洗練されたものに

 

なるのである

 

 

 

 

(...やりすぎ?)

 

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

 

 

 

*1:参考:同前『ノンデザイナーズ・デザインブック』p.13。

*2:出典:同前、p.15。