Photoshop② 写真(絵)の修正を行う
今回は、Photoshopの写真修正機能を使って絵に加工を施していきたいと思います。
ベースとなるのは、日本史の教科書をぱらぱらとめくっていた時に目に飛び込んできた『蒙古襲来絵詞』(筆者不明、1293年頃)です。
主にスポット修復ブラシツールを用いて、この絵を平和にしていきたいと思います。
①負傷を治す
日本側(竹崎季長)も元側も負傷して出血している人が居て痛そうですね。傷を治して血を消していきます。
なんだか凄まじいことになっていてよく分からない緑の彼ですが、出血がひどいのでこちらも綺麗に修復していきます。
ということで、両者ともに痛ましい負傷が消えました。
②武器を消す
何やら弓矢がそこら中に飛んでいたり「てつはう」が爆発していたりと危なっかしい状況なので、これも消していきます。
ということで、危なっかしい武器は綺麗に消しました。続いては・・・
③武器を放棄させる
最終段階です。平和が一番、ということで両者が構えていたり身につけている武器・武具を取り除きます。
④完成
逃げている元の兵士達をくるっと逆向きにし、諸々修正を加え、距離をぐっとつめて完成です。絵巻の端っこの兵士を逆向きにした関係で顔や体が途切れてしまった為、先ほどの緑の人を勝手にカモフラージュ代わりにしました。ごめんなさい。ということで、「馬を乗りこなす勇猛果敢な竹崎季長に驚きはしゃぐ元の兵士達」という図が出来上がりました。
⑤おわりに
修復ツールを使ってみた感想としては、背景(近似色)を補って綺麗に物を消せるその機能は驚きものでした。細かい部分を修正している時は思っている部分と違う色が補われてしまったりと何かと苦労もしたのですが、「コンテンツに合わせる」「テクスチャを作成」「近似色に合わせる」といった項目を探り探り使い分けることでその機能を深く体感できました。
ベン・パー『アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略』(飛鳥新社、2016年)読了
ベン・パー『アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略』(飛鳥新社、2016年)を読了した。情報過多時代の現代、「注目」が希少資源となるとし、「七つのトリガー」を提示して話が進んでゆく。
注目の三段階
「注目」には、以下の三段階が存在するという*1。
①即時
②短期
③長期
「即時の注目」とは、何かが起こった時に我々が自動的に反応するものである。これは三段階の中で最も得やすい注目であるが、飽くまで「点火」に過ぎない。
「短期の注目」とは「即時」の次段階であり、換言すれば「集中」することである。例えば、目新しいものや珍しいものに心惹かれているとそうなることが多い。しかし、これも飽くまで一時的な保管に過ぎない。
「長期の注目」とは「短期」の次段階であり、人や製品、アイデア等に長期に渡り人々の注目と関心を保たせることのできる能力である。それは、長期記憶に蓄えられた知識と経験に影響される。つまり、「よく知っていること」や「慣れ親しんでいること」がこの注目へと繋がる。
七つのトリガー
注目を生み出す七つのトリガーは、以下の通りである*2。
1.自動トリガー
→「色」や「シンボル」で人間の無意識に訴えかける
2.フレーミング・トリガー
→相手が受け入れやすくなるように「おなじみの感覚」を演出する
3.破壊トリガー
→「驚き」「単純さ」「重要性」のセットで畳み掛ける
4.報酬トリガー
→「相手が欲しがっているもの」を可視化する
5.評判トリガー
→「なにを言うか」よりも「誰が言うか」が肝心
6.ミステリー・トリガー
→「謎」「不確実性」「サスペンス」を提供し続ける
7.承認トリガー
→「認知」「評価」「共感」の三欲求を満たす
この中でも、とりわけ印象に残ったものをいくつか取り上げる。
フレーミング・トリガー
私たちは、生まれてから今まで生きてきて、様々な経験を積んできた。それにより自分だけの「判断基準」が養われている。これに基づき、アイデアやメッセージの入った枠組みに従うことを「フレーミング効果」と呼ぶ。
転じて、フレーミング・トリガーとは送りたいメッセージを相手が受け入れやすくなるよう、アイデアの見せ方を変えることである。しかしこれは予想よりも使いづらいものであり、大きな理由としては、人々は前述のような昔ながらの判断基準にしがみつく傾向にあるためである。著者はこれを「思考の惰性」と呼ぶ。
誰かの判断基準を変えて、注目を集めるということは非常に困難なことである。フレーミング・トリガーを用いるには、この思考の惰性にぶつかることを念頭に置かなければいけない。これを解決する糸口となるのが、「適応」と「議題設定」である。
「適応」とは、相手の判断基準を理解し、その判断基準に合うよう伝え方を変えることである。そのためには、以下の3つが必要となる*3
①相手の受容度を確かめる
→一番ストレスを感じるのはいつか。一番リラックスするのはいつか。
②相手の不安を理解する
→相手を自然に反発させるものは何か。(転じて、ほんの少しでも同意できる点を見つけると良い。)
③相手の文化的規範や伝統を知る
→何が相手を怒らせるか。何が相手を喜ばせるか。
「議題設定」とは、人々の頭の中にある特定の話題の重要性や顕著さを変えることである。反復と真実性錯覚効果(繰り返すことで嘘でも真実であると信じてしまうこと)が「議題設定」を強化し、人々の判断基準を変えて注目を集める強力なツールとなる。
「適応」と「議題設定」を駆使して、各々の判断基準をよく理解することがフレーミング・トリガーの鍵となる。
評判トリガー
「評判トリガー」とは、自分が信頼できる情報源を活用して、注目を向けるべきがどうかを判断するものである。私たちが注目を向ける際にいつも頼っている情報源とは、以下の3種類である*4
①専門家
→世に認められた知識と知恵で注目を集める。(ex)医者
②権威者
→権力と他人を服従させる力で注目を惹きつける。(ex)(学生に対する)教授
③大衆
→信頼や同調を呼び起こす。最も強力で最も扱いにくい。
評判を確立するのには時間がかかる。そこで、評判トリガーを活用して注目を獲得する近道がある。著者はこれを「信用の法則」と呼ぶ。この法則を用いるには、評判の人物、つまり「公認者」を交えることが必要となる。この公認者が実際に協力してくれる場合に限って、信用の法則はうまく発揮される。
承認トリガー
「承認トリガー」とは、人間の「承認欲求」に基づくものである。承認トリガーには、以下3つの要求が大きく関わってくる*5。
①認知
→自分と自分のメッセージが存在することへの同意
②評価
→自分という人間と、自分が行ってきた有意義な活動への肯定
③共感
→他者の要求と懸念を感じ取って思いやりを示す能力
3つに共通して、お互いがお互いの欲求を満たせばそれは強い繋がりとなる。つまり、一方が注目すればもう一方も注目を返すということである。著者はこれを「返礼の注目」と呼ぶ。
私たちは誰だって周りに認められたいという欲求を持っている。長期の注目は、上記の三欲求が満たされた時に最大となる。これが承認トリガーの力強さである。
おわりに
全体を通して、人間の本能や脳の仕組み等科学的な論拠が提示されており納得しながら読み進めることができた。やはり、7つの中で最も強力なのは「承認トリガー」なのではないか、と感じる。本書にも載っている通り、「承認」は人間特有の欲求である。誰もが口には出さないものの、誰かに評価されたいという欲求を持っている。そこに慎重にアプローチしていくことで、確実に長期の注目を得られるのではないだろうか。
「評判トリガー」も私の中では印象深いものであった。私は音楽が好きでよく聴いているが、あまり興味がないなと思って放っておいた曲が世間的に大ヒットし・・・挙句、周りの友人や家族までもが「良い!」と言い始めると、本当に「良いもの」のような気がしてきて最終的には大好きになっている。iTunes Storeで試聴をする時は、曲の横に表示されている「人気度」のバーを確認してから人気の高い曲を聴いていく。
なお、私の友人は所謂「流行りもの」を嫌っている。例えば、今大人気のドラマなどは絶対に見ないようである。とにかく、周りが持て囃しているものを見るのが嫌らしい。上記の通り私は全くの真逆であるので、評判トリガーに引っかかりやすいタイプなのでは、と感じる。一方友人に対して評判トリガーはあまり効果がないかもしれない。各トリガーは、場合によって慎重に使い分けていかなくてはならないと強く感じた。
Kevlin Henney編『プログラマが知るべき97のこと』(オライリー・ジャパン、2015年〔初版:2010年〕)読了
Kevlin Henney編『プログラマが知るべき97のこと』(オライリー・ジャパン、2015年〔初版:2010年〕)を読了した。73人のプログラマによる97本のエッセイ+日本人プログラマ8人による描き下ろし10本の、計81人による107本のエッセイから構成されている。カテゴリ別にプログラマからの言葉が書かれており、プログラマならではのハウツーが詰まっている。その中でも、とりわけ印象に残った何本かを取り上げたいと思う。
Alan Griffiths「「魔法」に頼りすぎてはいけない」
厄介なのは、今は「プログラマ」でなくても、以前プログラミングをしたことがある人は意外にいるということです。しかし、「ちょっとやったことがある」という程度だと、プログラミング作業の中でも特に難しい部分―つまり自分の頭を使って考える部分―についてはよくわからないものです。少なくともそれをあまり重要とは思わないでしょう*1。
まずこの言葉が目に入った時、それがそのまま胸に刺さるようであった。正に自分のことを指しており、「頭を使って考える部分」は非常に難しく理解が困難であり、それをとりわけ重要とも思っていなかった。
そして筆者は、自分が積極的に関わらない仕事に関しては、無意識のうちに簡単だと思ってしまう傾向があると述べる。まるで「魔法」のようになんでもできるような感覚に陥りがちだと指摘する。問題は「魔法が解けた時」である。その時が訪れれば、途端にプロジェクトは頓挫してしまう。
プログラマではない自分がプログラミングのことを全て学ぶ必要はないが、たとえほんの一部でも知ろうとすることに損はない。「自分に関わりのない仕事をする人を尊重すること」が大事なのであり、頭を使って様々な知識を吸収すべきであると感じた。
忘れてはならないのは、「魔法が解けてしまった時は、誰かがかけなおさなくてはならない」ということです*2。
Klaus Marquardt「いろいろな言葉を学ぶ」
筆者は、プログラマにとってコミュニケーションはとても重要なことであり、プログラマに就いたばかりの頃は、コミュニケーションと言えば専らコンピュータ相手のコミュニケーションということになるであろうと述べる。しかし、それよりも大切なのはプロジェクトチームのメンバーとのコミュニケーションであるという*3
他人の言うことをよく理解し、自分の言いたいことを他人にわかりやすく伝えることが必要です。〔中略〕話す力が大事なのは、他人とのコミュニケーションが円滑にできるからだけではありません。自分の思考を明確にするためにも、話す能力は重要なのです。この能力は問題を抽象化する際には欠かせません。そして抽象化こそ、プログラミングの核心です。
プログラミングには抽象度の異なる複数の言語が存在しており、それらを多様に学ぶことで様々な概念に対応することができる。異なる相手と話をする時も、その相手に特有の言葉や概念を知る必要がある。つまり、他の世界の言葉を知ることが非常に重要となってくる。自分が話すこと以上に、相手の話に耳を傾け、「言葉にならない言葉の存在」を知ることが大事なのである。
他職種や他業界の知識を吸収したいという意識は常に持っているが、あまり抽象化というものは意識したことがない。最終的に何かしらの概念をコンピュータにより具現化するのはプログラマなのであり、「言葉にならない言葉の存在」を知る、ということは非常にプログラマらしいものであると感じた。
宮川 達彦『No といえることの大事さ』
このタイトルを見た時、非常に「日本人らしい」と感じた。もちろんプログラマに向けられた言葉ではあるのだが、やはり自分もこういった意識は大事にしなければいけないというように感じた。
一部ユーザーからの注文を細かく聞き入れ、あの機能も追加する、この機能も追加する・・・と行動していると、大多数のユーザーの意見に目が向かなくなってしまう。ユーザーのフィードバックは嬉しいものであり、はじめて公開したソフトウェアにおいて起こりがちなことであると筆者は指摘する。
しかし、こうすることでこのソフトウェアは一部にしか通じないニッチな機能を備えた複雑怪奇なものとなってしまう。これが、ソフトウェアが破滅に向かうないしは既に手遅れとなってしまう第一歩の状態である。
こうした悲劇を避けるポイントはただひとつ、そうした要望に「No」といえる勇気です。ソフトウェアのコアでないもの、他のソフトウェアと組み合わせて実装できるものに関しては、明確にNo といえることが、結果としてよいデザインやシンプルさを達成する原動力になります。
顧客の声は大切であるが、あれこれ聞き入れてしまっていてはいつかそのものが破滅に陥ってしまう。私はいずれ企画に携わりたいと考えているが、自分自身もこの点には常に気を付け、時には「No」とはっきり言える勇気を持ちたいと心から思った。
おわりに
プログラマからプログラマに向けられた多くの言葉が収録されている本であったが、自分自身がプログラマでなくとも心に響くものが多かったように感じる。とりわけ、最初に挙げたAllan Grifithsの言葉は非常に胸に突き刺さるものであった。プログラミングの学習も中途半端なところで終わらせるのではなく、少しでも多くの知識を吸収したいと考えている。
- 作者: 和田卓人,Kevlin Henney,夏目大
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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加藤昌治『考具』(CCCメディアハウス、2016年〔初版:2003年〕)読了
加藤昌治『考具』(CCCメディアハウス、2016年〔初版:2003年〕)を読了した。タイトルにもなっている「考具」の使い方、目的を探っていく内容となっている。
「考具」とは*1
「考具」はアイデアと企画を生み出すための知的道具。
本書ではまず著者が計21個の「考具」を提示し、その後「自分だけの考具」を探す段階へと移ってゆく。以下、とりわけ印象に残った「考具」について述べていこうと思う。
考具その2「聞き耳を立てる」
アイデアのヒントを得たいがために、誰かと話そうとする人は多々いる。しかし、いつでもその時間が取れるわけではない。そこで有効なのが、この「聞き耳を立てる」ことである。著者はこれを、「間接的なインタビュー」*2と言い換えている。
日常生活の中で、敢えて人の話を聞かずとも何かと耳に入ってくる会話は非常に多いのではないか、と思う。Twitterに「今日電車でこんな会話をしていた2人組が居て~」というような呟きが上がるのはよく目にする光景である。1人で居る時はとりわけ、他人の会話というものが情報として頭の中に入って来やすい。無意識の内に、その言葉遣いやニュアンスも捉えているであろう。
著者も述べているように、そのような時間は「肌感覚」が強く、「自分で体験した」という強みが生まれる。このことで説得力が生まれる。人の話を聞くということは、「他の誰かの生活をほんのヒトコマでも共有」することである。
考具その8「ポストイット」
11月~12月にかけていくつかのセミナーを受けたのだが、とにかくポストイットを使う機会が多かった。ポストイットにアイデアやキーワードを書き、決められた順番に沿って並べていくという作業である。しかし、何かと「順番」ということを考えすぎて混乱してしまうこともよくあった。
ここで著者は、「アイデアを考えることに、正しい順番はない」*3と述べる。真面目な人ほどポストイットを全て書いてから次のステップへ、と順番を踏んでしまう。それを、途中で止めてしまって良い、と言う。そして、以下のように述べる*4
どうやらわたしたちがこれまで受けてきた教育はかなり一直線的なパラダイムに支配されているようです。順番をしっかり守るパターン。しかし「考える」という知的作業は、その反対。行きつ戻りつすることが頻繁に起こります。行きつ戻りつの試行錯誤がない企画もまたパワーがないのです。
ちょっとした時間にアイデアをメモしておき、情報を整理している時に突然アイデアが浮かんでくる。アトランダムな頭の働きに慣れることで、パワーのあるアイデアが生まれる。とにかく、順番は気にせず、1つのアイデアから何かを思いついたらそちらの方へ突き進んで良いのである。
考具その20「アイデアマラソン」
自分が思いついたアイデアをどこかに記録しておくということは重要であるが、普段スマートフォンのメモアプリに咄嗟に打ち込んだり、手帳の端にメモしたりと何かと後から見返さなくなってしまうことが多い。
著者は、「自分が生み出したアイデアをノートに書いていく」、その上で通し番号を振り、その通し番号とアイデアマラソンをスタートした日からの通算日との差を計算して記録せよ、と言う。これを毎日積み重ねていくことで、数字が増えていく嬉しさや達成感を味わうことができる。
アイデアは数が勝負である、というのはよく言われることであるが、上記の方法を取ることで非常に分かりやすく自分の出したアイデアの数が分かるのではないだろうか。本当にくだらないことでも、ほとんどが実現しないことでも、自分がこれまでに出してきたアイデアの「数」というのは自分自身の強みへと繋がってゆく。
おわりに
図を用いた解説も多く、非常に読み進めやすい本であった。そして何より、本書の最後の最後に書かれた著者の言葉にはっとさせられ、身が引き締まる思いであった。その言葉を引用してこの記事を終わろうと思う*5。
考具はあくまで道具で、肝心なのは考具を使いこなそうとする頭の働き、おそらく本当の考具の達人は、全く手ぶらなのかもしれない・・・・・・ですね。
- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
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博報堂の発想のプロに学ぶ!発想体質をつくる1DAYワークアウト
昨日、博報堂生活者アカデミー主催「博報堂の発想のプロに学ぶ!発想体質をつくる1DAYワークアウト」を受けてきた。10:00~18:00の8時間。しっかりとした講義だけではなく、ワークに時間が多く割かれており、「実践」の時間が多く有意義であった。
建学の精神
「今、イノベーションが揺らいでいる。」というところから話は始まる。新しい豊かさと幸せを生み出す目的が、資源と技術という手段よりおろそかになっているという。「人々の新しい発展と社会価値を生み出す」という根本的な目的は一体どこに行ってしまったのだろうか?私たちは、繁忙の中で翻弄されてしまっている。今こそ、「事業目的の復興」を目指すべきである。
イノベーションとは、個々人の「思い」を原動力に、生活から生み出されるものである。1人の人間であっても、「父親としての自分」,「社会人としての自分」,「音楽ファンとしての自分」・・・等、いろいろな側面を持っているものである。この多様な側面の全てからイノベーションは生み出され得るのであり、「全人格で発想するための体質を作る」ことが重要である。
学習フレーム
これは、博報堂生活者アカデミーのロゴである。この絵が一体何を表すのか?それは、「生活者発想フレーム」の周回である。
まず第一に、発想の資源となる「手がかり」をもつ。この手がかりは、多様であればあるほど視点を豊かにしてくれる。
そして第二に、「生活感受」→「意味発見」→「潮流解読」→「未来起動」・・・という思考のトラックを周回する。1周だけではない。何周も何周も回ることで、その思考は強固なものとなる。(クリエイティブ・タフネス)
このように、人間を「まるごと」観ることで未来を描くことができる。
スタイルと文化
「身体知」とは、自己の内側にある経験や意思との対話のことである。また、業種・職種を混同させることで視点をもらい合ったり差異を活かし合うことができる。身体性・多様性が重要となってくる。このような「文化的多元主義(サラダボウル論)」が、この度のワークでは大いに活かされた。
学びのゴール
学びのゴールとは、「根本知」の獲得である。根のない木に葉は茂らない。根(根本知)がしっかりしているからこそ、その木の葉(個別解)はいきいきとしたものに成長する。個々人がもつ「根」はイノベーションの源泉であり、暮らしの創造が利益の創造を生むのである。
ワークのポイント
今回のグループワークは、世の中にある事例集の中からいくつかをピックアップしてそこに潜む「ひとの欲求」「時代の兆し」について話し合うというものであった。グループ内の人たちは各々が異なった職種・業種であり、各々が異なった見解を述べた。
私は「故人を3Dプリンターで人形化する」という事例について、「不謹慎」というキーワードを挙げた。意味合いとしては、故人に対する想いを最新技術で具現化する時には「不謹慎」という概念はあまり重視されないのでは、という発想であった。
グループメンバーのAさんも同じく「不謹慎」というキーワードを挙げていたものの、その意味合いは私とは全く異なっていた。このような事例や、お葬式に見られるように、こういった場では「金額を気にする(安く済ませようとする)こと」=「不謹慎」に繋がる。これを逆手にとって、人々はこういった場には投資を惜しまないのでは?と「不謹慎ビジネス」なるものを提唱していた。この発想は、自分には思いつかなかったものの納得できるものでもあり非常に印象に残っている。
この話を聞いて、それこそ「なんて不謹慎な考え方なんだ!」と憤りを感じる人も居るであろう。しかし、ここでこそ述べておきたいのだが、今回のグループワークのポイントは以下の通りである。
・自分の直感・内心(主観)を重視する
・社会通念や常識、正しさ、緻密さ(客観)は考えない
とにかく、発想の原点としては「直感(主観)」が重要となる。こんなこと常識では通用しない・・・こんなアイデアまかり通るわけがない・・・そういった考えから入っては、発想が邪魔されてしまう。まずは客観的概念を捨てて、主観を重視することが大切である。だからこそ、前述のような発想が生まれ得たのではないだろうか。
おわりに
今回のグループワークでは、不思議といつもより多くの発言をできたように感じる。というのは、「直感」「自分本位」で話していい、というように何の制約もないまま、自分の思うがままに話すことができたからである。もちろん時にはこのような制約も大切ではある。しかし自由な発想をするには、「自分本位」であることが許される。むしろ、必要とされるのではないだろうか。
最初にあれこれの課題を考えてしまっては、その頃にはもう発想するだけのエネルギーが残っておらず弊害も多い。そうではなく、まず最初に「発想を飛躍」させる。「本当にこんなのが実現するんだろうか?」ということは後である。普段の生活の中から「こんなものあったらいいな」という案を貯めておいて、来るべき時にその案を小出しにして飛躍させるのである。
生活者としての発想がいかに大事であるか、ということを深く学ぶことができた。自分の生活に取り巻くもの、ありふれたものにも目を向けて、発想体質を作っていきたいと考えている。
ビジネスモデルデザイン講座(IoTアイデア創出編)
昨日、白井和康先生の「ビジネスモデルデザイン講座(IoTアイデア創出編)」を受けてきた。19:00~21:30というあっという間の2時間30分だったが、IoTアイデア創出について多くの事を学べたと感じる。
IoTとは
「IoT」とは、「Internet of Things」の略称であり、つまり「モノのインターネット化」を指す言葉である。2007年のIoT元年に始まり、2014~2015年にはIoTがピークを迎えた。換言すれば、この期間にIoTへの期待値が最大限に高まっていたのである。2016年~、つまり我々が生きている現代においてはIoTが細分化され、多くのサービスに期待が集まっている。例えば、仮想現実を取り巻くサービスは現実のものとなりつつあるであろう。
IoTの成長が見込まれる理由は様々あるが、やはり「スマートフォンの爆発的な普及」が大きな要因となっている。その活用領域は、以下のような分野において予測されている。
人間(ウェアラブル)
住宅(スマートホーム)
小売り
オフィス
工場
建設現場
車両
市街
広域
IoTソリューションの事例
現段階で、IoTが活用されているサービスは多々あるが私が興味深く感じたのは「Nest」である。その一例を以下に挙げる。
Meet the 3rd generation Nest Learning Thermostat
これは所謂スマートホームの一種で、家の中に取り付けるセンサーのようなものであるが、家主の健康、好み、電力消費量を鑑みて自動的に室温を調節してくれる製品である。スマートフォンとの連携も可能であるため、外出先からも自宅の空調を操作できる。1分と短い動画の中に、この製品の魅力が分かりやすく詰め込まれているように感じた。
IoTキャンバス
今回は、「IoTキャンバス」を用いてIoTのアイデアの創出に努めた。このキャンバスは、以下のつの要素で構成されている。
①利用者
②フィジカルオブジェクト
③コンテキスト
④テクノロジー
⑥デジタルサービス
⑦関係者
ワークショップでは「身体と健康」、「家庭と日常生活」、「移動と輸送」、「街と環境」、「ビジネスと産業」の5つのテーマから自分の好きなものを1つ選ぶことになっていたが、私は「街と環境」チームに入ることとなった。
私を含めて4人チームであったが、最初に各々の案を出し合った時は見事にバラバラであった。
私「(公共)トイレの場所や、混雑具合なんかが分かると便利ではないでしょうか。」
Aさん「オリンピックに向けて、標識とスマートフォンを連携して、各国の人に会わせた言語の案内を出せるようにしたらどうだろう。」
Bさん「視覚障害を持つ人のために、杖や道にセンサーを埋め込んでみてはどうだろう。」
このBさんの案には一同感心し、次のCさんの言葉で方針が決定した。
Cさん「SuicaやPasmoにハンディキャップを持っているという情報を組み込んで、駅員さんや乗客に知らせることで協力姿勢・譲り合いの精神を促してはどうだろう。」
ということで、ここから議論を重ね利用者の幅が広がり「ハンディキャップをもつ人や妊婦さん、病気・怪我をしている人、お年寄り、幼児」等「助けが必要となる人々」に焦点が絞られた。そして彼らのために、公共交通機関との連携を考えた。以下が私たちのチームのIoTキャンバスになる。
一度テーマが決まると、各々からいろいろな意見が出てきてキャンバスが付箋紙で埋まって行った。私も、あまり「却下されるのでは」ということは考えずに思いついたら口に出していたように感じる。実際に自分が普段利用している電車、バスに関してイメージを浮かべることで「どうすればより良い対応をできるのか」、「どうすれば対象者がより快適に過ごせるのか」ということを念頭に置いていた。私自身電車内で体調を崩すこともあるため、「誰かの助けが欲しい時」というイメージはすんなりと湧いてきたように思える。つまり、対象者の立場になってみることがいかに重要かということが分かった。
こうして、最終的な案としてまとまったのが以下の図に集約されたサービス「Friendly City」である。
前述のような「手助けが必要となる人」の情報をSuicaやPasmoに組み込み、改札を通った時点で駅員および電車内に通知が届く。このことで駅員はスムーズに案内を行うことができ、乗客の間には自然と「助け合いの精神」「譲り合いの精神」が生まれるのでは、と考え出されたサービスである。また、電車内の混雑具合(環境)を温度計、湿度計、圧力計等の器具により測ることで「どの車両に乗ればスムーズかつ快適に乗ることができるのか」という情報を与えることができる。
おわりに
今回のセミナーを通して、IoTについてのイメージが深く湧いたように感じる。最後に先生が仰っていた、「今回はどのチームも皆さん現実的な案をお出しになって・・・」という言葉が強く印象に残っている。確かに、どのチームも現実的に実現可能な案を出していたように思われる。もちろんそれも大事であるが、技術が発達した現代において、「実現可能かどうか」まで考えなくとも少し夢のあるような案を出しても良いのでは、と感じた。もちろん実用性も大切であるが、「モノのインターネット化」は思った以上に技術革新が進んでいるように思われる。これから先どのようなサービスが出てくるのか楽しみである反面、「こんなサービスあったら良いのに」というイメージは忘れずに持ち続けたいと考えている。
C言語② 様々なプログラムを組む
前回の「Hello, World!」に引き続き、C言語の他のプログラムを組んでみます。その中でも、個人的にとりわけ引っかかる部分が多かったものや印象に残ったものを抜粋して掲載します。
①閏年の判定
こちらを参考に閏年の判定をするためのプログラムを組んで行きます。その前にそもそも閏年って4年に1回あるあれだっけ・・・?と考えたのですが、このページにもあるように初っ端から間違いでした。参考ページの作者さん曰く
1.西暦が「4」で割り切れる(あまりが0)年は閏年
2.西暦が「100」で割り切れる年は閏年ではない
3.西暦が「400」で割り切れる年は閏年
ということなので、こちらを前提にプログラムを組みます。まずはAtomで「leap.c」というファイルを作ります。
ということで、コマンドプロンプトを開いてプログラムを実行しようと試みるのですが・・・日本語が文字化けして出て来まいました。というのも、
この画像の通り、デフォルトの文字コードが932(Shift-JIS)に設定されているため別の文字コード(今回で言えばAtomの方をデフォルトでUTF-8に設定していた)で書かれたプログラムを実行すると日本語が文字化けしてしまいます。ということで、Atomの方で文字コードをShit-JISに変更します。
改めて、実行してみます。
無事、文字化けせずにプログラムを実行することができました。プログラム自体の入れ子構造も苦手なので躓くところではありましたが、昔から何かと「文字化け」に悩まされることが多いためそこは気を付けていきたいなと思う所存です。
②入力した3辺の長さから三角形の種類を判別
こちらを参考に、3辺の長さから三角形の種類を判別するためのプログラムを組んでいきます。三角形ABCの3辺はa,b,cと仮定し、「triangle.c」というファイルを作ります。
これをコマンドプロンプトで実行します。
無事実行できました。(2回目、本当は「二等辺三角形」を出させるつもりだったんですが深く考えずに数字を入力したら早くも三角形を作れなくなってしまいました。)
最初にタイトルを見た時は複雑なプログラムになるんじゃないかと思考を巡らせていたのですが、思っていたよりはシンプルな作りのプログラムでした。相変わらず入れ子構造は苦手ですが・・・
③サイコロを作る
こちらを参考に、サイコロを作るプログラムを組みます。まずはAtomで、「dice.c」というファイルを作ります。
こちらをコマンドプロンプトで実行します。
無事実行できました。こちらも、先ほどの三角形判別プログラムより格段にすっきりとしたプログラムになりました。しかし、乱数に苦手意識をもっているため少し時間がかかってしまいました。苦手意識が強いだけに理解が浅くなっているなという感じです・・・
以上、3つのプログラムを取り上げました。元々数学が大の苦手なため敢えて数学に関わると言いますか、少し頭を使うようなプログラムをピックアップしました。やはり思った以上に時間がかかってしまいました・・・もう少し全体的に理解を深められたら、と思います。また、文字化けのような問題にもこれからは素早く対処できるよう心掛けていきたいと思います。
参考
プログラムはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいプログラムの基礎知識
- 作者: 矢沢久雄
- 出版社/メーカー: 日経ソフトウエア
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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